

今、1つのクルーズ会社が消えようとしている。日本ではほとんど知られていなけれども個人的には一度は乗船したいと思っていたクルーズ会社が今、経済的にピンチを迎えている。60年前に作られた家族経営的な会社で帆船を運行させているWindjammer Barefoot Cruisesです。windjammerとは大型帆船、barefootとは裸足という意味です。船は本当に帆船で、乗船すると乗客は皆裸足になって甲板を歩いたりする。クルーズに乗船しているというより、クルーズに参加しているような気持ちになるのではないだろうか。海域はカリブ海だが、出航地がコスタリカなど不便な所ばかりなので乗船する機会がほとんど無かったが、いつも心のどこかに乗船したい気持ちがあった。 今、米国ではこの会社のことがニュースになっている。4隻ある船も3隻はすでに運行を中止していて、残り1隻のみ予約を受けていたが、11月3日のクルーズも最終的にキャンセルされてしまった。必死に出資先や人材を探して生き残りをはかっている最中。今は大きなクルーズ会社しか生き残れないような感があるが、是非再建して元通りの4隻でなくても、帆船でユニークなクルーズを運行してもらいたいと願っている。 このクルーズ会社はキャプテン・マイク・バークによって1947年に作られた。彼は老朽化した70フィートのケッチ(2本マストの小型帆船)を手に入れてバハマ諸島への超カジュアルなクルーズを始めたのが最初。それ以降も何隻もの古い帆船を手に入れて、改装して運行してきた。最近までレガシー、マンダレイ、ポリネシア、ヤンキー・クリッパーの4隻の帆船を運行させていたが、財政的に困難になったため、レガシー以外は運行出来ない状況に陥っていた。レガシーもいつ予定通りの運行が出来るのか不透明である。 このS/Vレガシーはもとはフランス政府の気象観測・調査船としてフランスで造られた1740トンの4本マストの大型帆船。ウィンジャマー社はこの船を1998年に購入し、改装して運行を始めた。レガシーはプエルト・リコ発着のカリブ海クルーズを運行している。船内にはクルーズ客船に付きもののラウンジや素晴しいショー、カジノなど無い。ダイニング・ルーム、バー、テレビ・ルーム/図書室がある程度。船上での服装は水着にTシャツ。食事も質を問うものではない。乗客定員122名のこの船は、キャビンも狭く、2段ベッドのキャビンもある。寝具を甲板に持ってゆき星の下で眠る人もいるようだ。他のクルーズでは絶対に体験出来ないような船旅がこのクルーズ会社にはあった。乗客層は色々な年齢層のグループ、家族連れ、若者、一人参加の乗客など幅広い。それ故、アメリカにはこの会社のファンも多くいる。今もバーク船長の身内が会社を経営しているが、何とかこのユニークなクルーズ会社を再建してもらいたい。 |