

船にはキール(竜骨)という人体の背骨に相当し、船体の中心線に沿って船底を船首から船尾まで貫通する部材がある。船を新しく造る時には古くローマ時代からの伝統を守って今も行われる行事がある。起工式にキールに金貨を置くのである。 実際にはどうするのか、2009年6月に就航予定のMSCクルーズのMSCスプレンディーダ (MSC Splendida, 133,500トン)の例を紹介しよう。10月25日、フランスのサン・ナザレにあるアッカー・ヤードでその式典が行われた。その時に用意されたのは4枚の金のコイン。3枚はソレント市と共同制作され、1枚はアッカー・ヤードにより用意された。伝統に従ってその内の2枚、ソレント市の1枚とアッカー・ヤードの1枚がキール上に溶接された。 ソレント市のコインは、一方の面にはソレント港の図柄(市の紋章)、他面にはMSCクルーズのロゴになっている。ソレントはMSCクルーズの技術部門の本部がある場所で、オーナーの生まれた場所。ソレントのコインの1枚がキールに溶接されるが、他の2枚はどうなるのか。1枚はソレント市長が記念に保管し、最後の1枚はMSCクルーズの技術部門の事務所に保管される。 アッカー・ヤードから寄付された1枚はMSCクルーズの本社があるナポリで1847年に鋳造されたもので、シシリーの王、イタリアの工業化の先駆者であるフェルディナンド2世 MSCクルーズは2007年6月に就航したばかりのMSCオーケストラ (89,600トン)をはじめ現在は8隻の客船を所有している。更に2010年までに4隻の就航を予定している。 お問い合わせ先: |